なぜ女性は出会い喫茶に行くのだろうか?売春問題の現状とは

荻上チキさんの「彼女たちの売春(ワリキリ)」という本を読みました。

出会い喫茶への地道なフィールドワークにより、100人もの女性と出会い、インタビューを通じて見えてきた、売春問題の闇について言及した本。

なぜ女性は出会い喫茶に行くのだろうか。その疑問を「社会からの斥力」と「出会い系の引力」という観点で考察されています。2011年時点の調査なので、今と実態は少し違うかもしれないが、いろいろと考えさせられます。

この本の印象に残った部分を引用しながら、僕もこの問題について考えてみます。

なぜ売春する理由に耳を傾けない

どうやら、「貧しい国で、売春をせざるを得ない女性がいる」という話をすると同情を示してみせるけれど、「この国で、売春をしている女性がいる」というと、途端に「道徳」や「気持ち」の問題として捉え、憤りをみせる者というのは、決して少なくないようだ。

世論調査をしたら「自らの身体を売らず、ちゃんとした働き口を探せ」という意見の方が多いのだろうか。売春否定派は「日本はマジメな国だからそんなことがあってはイカン」と道徳や倫理観で説くのではなく、なぜ彼女たちの背景や動機に着目しないのだろうか。

 

出会い喫茶の女性は精神疾患者が30%以上

2011年の取材中に行ったアンケートによれば、100人のうち実に30人が、精神疾患の病識「あり」となっている。病識「あり」とは、何となくの自己申告ではなく、実際に通院し、疾患名をつけられた者の数だ。それ以外も、自傷行為や過食・拒食を経験した女性は17人。つまり潜在的には、もっと多い可能性さえある

これは興味深いデータだと思った。売春女性は、JKビジネスで働く未成年の売春少女と同じように、「生活安定層」と「生活不安低層」の2タイプへとざっくり分けられるはず。

「生活安定層」は、生活する上でのお金に困っているわけではないが、生活水準をより高めたいため、買収をして稼いている層。「生活不安低層」は、精神的な病により、昼職に就けない層。昼職に就けないだけでなく、家族にも見限れられ、1人暮らしを余儀なくされている女性は、貧困層に当てはまる。

このデータからわかることは、「生活不安低層」がいかに多いかという事実。「生活安定層」が売春を非難されるならまだしも、この世界でしか稼ぐ道がない「生活不安定層」の働き口をも非難するのはどうだろうか。

風俗で働くことと比較して、出会い喫茶のメリットは以下だと書かれている。

バックマージンを誰にも取られない。相手を選ぶことができる。相手に応じて、サービスの質や価格を変えることができる。一定の時間、特定の場所に縛られなくてすむ。誰に強制されることなく、ときにはバックれることもできる。感情面での過剰なサービスをしなくていい。顔バレしにくい。つまりは、より自由な仕方で、お金を稼ぐことができるという面が指摘されている

「風俗で働くよりも、出会い喫茶の方が働きやすい」という考えはなかった。確かに、相手を選ぶことができ、売値の自由に決められる、という利点は大きいのかもしれない。出会い喫茶は、売春女性にとって、自由で働きやすい環境を提供しているわけか。

出会い喫茶を潰しても、根本的な原因は解決されない

仮に喫茶やサイトのあり方を批判し、取りつぶしを行ったとき、そこでワリキリを行っていた女性たちがどういう結果になるかは容易に想像がつく。ある者は、「合法」の風俗店に戻り、店舗側と折半するという形態に戻るだろう。ある者は、別のアングラ職で稼ぐようになるだろうし、ある者はただただ、暴力や貧困の状況から脱出する手段をひとつ失うことになるだけだろう。そうして、女性の人権を憂う者であれ、アングラ社会の衰退を願う者であれ、その意図と反する結果が訪れるだろう。蓋を開ければ、風俗企業や警察だけが笑顔を浮かべる、それだけだ。オマケで、わかりやすい成果だけを誇りたい政治家の笑顔もついてくるかもしれない。

役者や警察が得意とする「臭いものには蓋をする」対策は、問題の表層だけを取り繕って、根本的な問題は解決されないまま。こうやって民意だけを得れば満足という仕組み自体が問題なのだろうか。

いかがわしい店を潰し、そこで働いていた女性の人権を無視するこの酷い方策は、いつまで続くのだろうか。たとえ、店を潰したも、夜の世界はなくなるわけがない。警察とのイタチごっこ問題は、こういうアングラ業界に共通して出てくる社会問題のひとつだね。両者が歩み寄ることはないものだろうか。

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